【書評】ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか ピーター・ティール (著), ブレイク・マスターズ (著), 関 美和 (翻訳), 瀧本 哲史 (その他)

ゼロ・トゥ・ワンは、新しい何かを創造する企業をどう立ち上げるかについて書いた本である。
起業を目指す人にとって押さえておくべき法則がティールによって提言されている。

印象的だったのが、
1. 小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい(大きな賭けをしろ)
2. 出来の悪い計画でも、ないよりはいい(成功するための計画を持て)
3. 競争の激しい市場では収益が損失する(競争するな)
4. 販売は製品と同じくらい大切だ(製品が良ければいいと思うな)
の点である。

特に、3については、競争は行ってはならず、コモディティ化されない、差別化されたビジネスを行い、永続的な価値を企業は創造していくべきだと説く。
競争環境では、大した差別化も生まれず、誰も得をしないからだ。

他の会社ができない大切なことを、自分の会社だけがいかに持つかが重要である。
それは「皆んなが気づかない重要な真実は何ですか?」という問いに答えられる必要があり、その上で、10年先の未来の具体的なイメージを描けないと起業は厳しいと感じた。

そして
・会社は、創業者という非凡な人物が会社を導き、社員の皆んなからは最高の力を引き出さなければならない
・創業者は自分の神話を信じこみ、本当の自分を見失ってはいけない
という指摘も考えさせられる。

ちなみに、本書の中で引き合いに出されたGoogleの事例は、面白かった。